Sul Sul!
俺だ、ルーだ。
湿度の高い夏のせいで、
プレイヤーの気分が荒んでいるらしく、
今回は俺からの語りとなった。
よかったら、
付き合ってやってくれ。
💛
この冬これで何回目になるのか?
群れの溜まり場に行った帰り道、
俺は習慣とも言えるような、
遭難をしていた。
ここでの冬越しが、
これで何度目になるのかさえ忘れたが、
いまだにこの調子だ。
だけど今の俺は、
絶対に死ぬわけには行かない。
べネッサに会うまでは。
たとえこの身が朽ちようとも、
彼女の元へ帰る事が最優先!
俺はそう固く決意をして、
再びの一歩を踏み出した。
その後暫く彷徨いながらも、
命辛辛、自宅へと辿り着いた。
💛
そうして何とか本格的な遭難を免れ、
到着した家の前には、
二人の能天気がいた。
べネッサが出迎えてくれた。
おい、俺にはまだ血が通っている、
生きているぞ?
💛
そんな時、
奴の気配を感じたんだ。
ひとんちの風呂に、
断りもなく入るとは、
なんて図々しい野郎なんだ!?
おまけにアイツは、
とんでも無い格好で、
ヴェネッサに近づきやがった。
それを目にした俺は、
無意識のうちにヤツを呼びつけていた。
うちの高級浴槽を、
無断使用しただけでは事足りず、
腰タオル一枚でヴェネッサに近づくなんて、
やい!
いい度胸してるじゃねえか?
そしてそれだけじゃない。
俺たちウェアウルフは、
どうしてもアイツらとは、
相容れないさだめらしいからな。
💛
そう。
既にお察しの通り、
奴はヴァンパイアだ。
そして実は、
俺が奴とこうして顔を突き合わせるのは、
これが2回目だ。
初回は雑魚ヴァンパイアとの戦いとして扱われ、
そんなもん相手にするなと言わんばかりに、
記録を割愛された。
(家訓 : 雑魚と闘っていい気になるな)
その時の勝負はどうだったかって?
もちろん俺が勝利したさ。
実際の所、
俺はウェアウルフとしては、
まだまだ新参者だし、
ヴァンパイアとの因縁の歴史については、
今だ勉強中だ。
だけど俺が持つウェアウルフの血が、
どうしてもヴァンパイアの存在を、
許さないらしい。
そして気がついた時には、
俺は奴に対して、
究極の武器を手にしていた。
(それをいつ携えたのかも、
全く記憶にねえんだ)
それが何かというと、
青森産高級ニンニクを、
ふんだんに使用した、
強力なソード。
その高級ニンニクが、
勿体無いとは思いつつも、
俺は奴に向って、
その剣を振り上げた。
そしてとうとう奴を斬り倒した!
💛
アイアムア
「ウィナー・ウルフ」
これで2度目の戦いも、
勝利は我にあり!
えっ、何だって?
グレッグはヴィラディを、
素手で倒したって?
まあしかし、
グレッグにはグレッグの、
俺には俺の闘い方があるからな・・・
細い事は気にするな!
とにかく、服着ろ、服!
💛
こうやって奴を倒した後、
今更ながらこの敵に関して、
もう少し詳しい事を知ろうと、
俺は思った。
そしたらなんとドッコイ!?
そこまでの雑魚でもなく、
💛
「マスター・ヴァンパイア」って、
ヴィラディの直下、
上から二番目のランクだろう?
そしてもう一つ。
おいおいおい。
誰だ?
コイツとお友達の、うちの世帯員は?(笑)
💛
奴が無い尻尾を巻いて帰って行った後、
騒ぎを聞きつけたべネッサが、
俺の元へとやって来た。
そして獣臭200%であろう俺の唇に、
自分の唇を重ねて来た。
いや、べネッサよ、
そいつは勘弁だ。
そして俺は暫くの間、
彼女のキスに心酔いしていた。
その唇を離した後、
彼女がある事を口にした。
『運命のつがいじゃなくてごめんね』
もしやべネッサは・・・
俺のあの愛読誌を、
読んでしまったのか?
💛
それは少し前の事。
俺がいつもの調子で、
お気に入りのウェアリビングのページを、
捲っていた時のこと。
俺がそのページを破り捨てる前に、
彼女は読んでしまったのだろうか?
💛
もちろん俺にとっては、
取るに足らない事なのだが・・・
💛
そしてその後も俺たちは、
二人だけの時間を持った。
まるであの、
美女と野獣のように。
そうは言っても俺たち二人には、
あんな風にドラマチックな物語は、
これっぽちも無いんだけどね・・・
そして俺は、
彼女をダンスに誘った。
俺は踊りながら、
言葉に出す事はせずに、
べネッサへの想いを、
心の中で呟いた。
なんで口に出さないかって?
例え万の言葉があっても、
それを表現する事が出来ないほどの愛が、
俺の心の中には、
溢れているからさ。
💛
そして・・・
『愛は目ではなく、
心で見るものです』
(from 美女と野獣 by シェイクスピア)
まあこれはさ、
この前べネッサが読んでくれた詩の、
丸暗記なんだけどね。
💛
だけどやっぱり、
言葉に出すのもいいもんだよな。
言霊ってやつを、
聞きたがってるはずだしな。
何よりも、
照れ臭いんだけどね。
💛
だから俺は一言だけ、
べネッサに伝えた。
これからもずっと、
『アイシテル・・・』
💛
さ〜て。
俺が相当、照れ臭くなったところで、
この話はおしまいだ。
最後まで付き合ってくれて、
ありがとうな。
そしてよかったらまた、
思い出した時にでも、
覗きに来てやってくれ。
じゃあな
Happy Simming
ルーより